半導体の世界には欠かせない、ボンディングワイヤ。
しかし、その姿は普段、見ることができません。
どのような役割をしているの?接合方法は?
さまざまな疑問に答えていきます。
ボンディングワイヤは、半導体の接続材料として使われています。半導体素子の電気信号を外部へ伝達する金属の細い線です。半導体は、パソコン、家電製品から自動車まで私たちの生活を支えるあらゆるものに不可欠な材料です。一般に、半導体パッケージはワイヤボンディング後に樹脂で封止されるため、外からはボンディングワイヤは見えなくなっています。
ボンディングワイヤの素材には、金、銀、銅、アルミが使われています。金ワイヤが長い間主流でしたが、パラジウム被覆銅ワイヤ(PCCワイヤ)の開発によりボンディングワイヤの市場は大きな変革を遂げました。今では、PCCワイヤは市場で最も多く使用されています。近年では、銀ワイヤも金ワイヤの代替としてさまざまな用途で使用され始めています。アルミワイヤは主にパワー半導体用途に使われています。
ボンディングワイヤの太さは、細いものでは15μm、太いものでは500μm程度と用途によりさまざまです。パソコン等で使用される高機能・高密度の半導体パッケージでは、1パッケージ当たり2,000本以上のワイヤが30〜50μm間隔程度で張られています。デバイスの高機能化・小型化によりワイヤの細線化は進み、技術的なハードルも高くなる中、当社は高い技術力でこれに対応しています。
ボールボンディングでは、ワイヤの先端を放電により溶かしボール(フリーエアボール)を形成し、ボールを半導体素子に熱・超音波・荷重を使って接合(1stボンド/ボールボンド)します。一般に、基板側(外部端子)への接合(2ndボンド)にはステッチボンドを使用します。
ウェッジボンディングではボールは形成せずに、荷重と超音波のみでワイヤを接合します。主にパワー半導体で使用されています。